2011年7月29日金曜日

「光と風をつれて 」の歌詞

光と風をつれて  詩 工藤直子
いっしょに
ここで やすんでいきませんか
すこし おはなししませんか
きのうみた ゆめのはなしや
あしたのおてんきのこと
かぜのはしるすがたや
ひかりのこぼれぐあいについて
そして あなたがどこからきて
どこへいくのか なども・・・
ゆっくりゆっくり うなづきあって
しばらくいっしょにすごしませんか
秋のまんなかで
「おおい」と呼んでみる 
へんじはない
もう一度空にむけて「おおい」
しずかだ
山が祭りのようにあかるくなり
生きものは 急ぎあしになり
くさはらに 忘れもののような花が咲き
あ 風
むこうからこっちへ こっちからあっちへ
ああ ああ ああ 行ってしまった
「おおい」もう一度呼んでみた
あいたくて
だれかにあいたくて なにかにあいたくて
生まれてきた-そんな気がするのだけれど
それがだれなのか なになのか
あえるのはいつなのか-
おつかいのとちゅうで迷ってしまった子どもみたい
とほうにくれている
それでも手の中にみえないことづけを
にぎりしめているような気がするから
それを手わたさなくちゃ
だから あいたくて
はじまり
畠があり川があり また畠があり森などもあって
ついには地平線がある
背中をのばして地平を見つめ
地平の奥の雲を見つめ
雲のむこうの青さを見つめ
青さの中の見えない星を見つめ・・・
おお 目が痛くなるのだが
何もないあそこから何かが始まっているようだ
光が駆けぬけた!
風が追いぬいた!
・・・・・・・・

空はいま いまのいま 突きぬけた!
忘れたいことがあり 忘れたくないことがあり
判りたいことがあり 判らないことがあり
でも しかし・・・ だがしかし・・・
そんなことどもは まるで どうでもいいようなふうに
ごうごうと 地球はまわりつづけ・・
あらゆる生き物の鼓動をのせて
ごうごうと地球はまわりつづけ・・
目まいしたわたしの前に 相変らず畠があり川がある!
光がまた駆けぬけた! 風がまた駆けぬけた!
・・・・・
空はいま いまのいま 突きぬけた!
何もないあそこから
確かに何かが始まっているようだ

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